2011年10月4日火曜日

オーストラリア魂

近頃国際的に流行している詐欺にこういうのがある。日本ではまだかも知れないが、まぁそのうち来るかも知れない。 

ある日突然電話が鳴り、「マイクロソフト○○サービスです。あなたのコンピュータが悪いソフトによって被害を受けていると思われますので、ちょっと確認してください」とくる。多くの場合インド訛りのヘタな英語である。 

「えぇっ!」と驚いてコンピュータに向かい、指示通りにウィンドウズを操作する。電話の主は「そこに××というファイルがたくさん見えませんか? 見えたら感染している証拠です」と言う。 

もちろん、それらのファイルは見えるのだ。ウィンドウズなら必ず入っているのだから。しかし、多くの人はそんなことを意識したことがないので、「あぁっホントだ! やられてる!」と思ってしまう。というか、この段階まで来て、そもそもそんな電話がかかってくること自体オカシイと気付かない人なんだから、まぁ相手のペースに乗ってだまされ続けるわけですな。 

あとは簡単、「ではこれから申し上げるサイトにつないで駆除ソフトをダウンロードしてください。料金は…」という仕掛けである。なんともわかりやすい。 

ちょっとでもコンピュータなりインターネットなりを理解している人ならアッと言う間に見破ってしまう、かわいらしい詐欺である。(というか、その種の人はウィンドウズなんて使ってないことが多いので、最初の一言でバレることになる。) 

あなたなら、こんな詐欺電話がかかってきた時、どうします?

話はここからが本題。こんな話をポッド放送で聞いたのである。あるオーストラリア人(ブリズベン在住)にこれがかかってきた。当然、スグわかる。でもちょっとだけ聞いてあげることにした。 

相手は台本通りに話を進める。うんうんと聞いてあげる。んで、タイミングを見計らって、「君さぁ、その仕事が好き?」と質問する。 

当然、相手はちょっと困る。けれど、フニャフニャと生返事で誤魔化して、さらに台本を続ける。また聞いてあげる。そしてまた、「あのさぁ、そんなふうにお金を稼ぐって、良いことだと思う?」と質問する。

ここらで相手は黙ってしまう。さらに畳みかける。「あのね、君がやってることは違法なの。どっかの家に侵入して知らないオバサンからお金を奪うのと同じなの。わかってやってるんでしょ? そりゃ事情はあると思うんだけどさぁ。ホント、自分でやってて、どう思う?」 

ややあって、「…仕事がないと困るんです」と蚊の鳴くような声で返事がくる。慰め声で電話を切る。そして考える。

そりゃそうだわなぁ。この詐欺会社で詐欺電話をかけている人々だって、悪いことをやってる自覚はある。あるんだけど、他に仕事もなければ、食っていくためには「仕方ない」と思いたくもなるだろうなぁ。そもそも、こんな電話がかかってきたら本気にしてしまう人が多いほど、ウィンドウズって欠陥商品じゃないのか。第一、詐欺に手を出す悪人を生んじゃう世の中って、何さ。あぁいろいろ考えちゃうなぁ。

 …というのが、このオーストラリア(ブリズベン)在住の人物の体験である。詐欺電話をからかいながらも、相手の立場は忘れない。徹底的に世の中をなめており、この上なくふざけているのだが、人間として一番大切な部分が大前提なのである。

これがオーストラリア魂。今年初めの洪水のように災害でもあれば、他の何がどうなろうと、バリバリお金を使って人を守り、快適な生活を守る。(不当にお金をもらったやつは、あとからゆっくり調べて、たっぷり処罰する。)

もちろん以上すべてを吹っ飛ばしてしまいそうなアホなところもいっぱいありますけど。では失礼。

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