2008年3月23日日曜日

言葉もない

今さら文部科学省のやることに驚いても仕方ないとは思う。人類の歴史を通じ、為政者側は常にかなりのアホなのである。っつーか、人間が増えて組織ができちゃうようになると、物もわからず現場も知らない連中が「上」に行きやすい。能力のあるヤツは現場でやって何とか食っている。その税金を吸い上げて無能な為政者は食っている。まぁ一種の手の込んだ福祉システムですわな。

しかし、我々としては、高見の見物を決め込んでいるわけにもいかない。何しろ無茶苦茶が行われるんだから、少なくとも自衛策を考えておく必要はある。

というわけで、新しい学習指導要領とやらを見ても、驚かず冷静に判断して自分のできることをするしかない…んだけど、あまりにもひどくてねぇ。やっぱし笑ってしまったぞ。(以下は「言語活動に関する学習指導要領改訂案の記述例(抜粋)」より)


小学校5・6年の「外国語活動」。決して冷 笑的になるつもりはないよ。でもね、これはどう見てもあらゆるレベルで何も考えていない、言語について大きな思い間違いをした、現実離れしたお役所のキレイ事作文以外の何ものでもないですよ。これがあってもなくても人間の言語習得の事実は変わらないし、先生の質も上がらない。こんなものを書いているヤツが給料もらって公務員してますということですな。

これに縛られる教育委員会・各学校も気の毒だが、現場の先生方もかわいそう。もちろん最大の被害者は子供である。というわけで、我々は大規模な児童虐待を目にしているのだ。少なくとも自衛策を考える必要はあるでしょ。

中学校の指導要領もかなりのもんです:

これを何も知らないガキの作文といわずして何といいましょうか。それでいて、「行わせる」といった言い回しに絶望的な思い上がりというか、支配する人民を見下した態度というかが丸見えになっている。いつものことではあるけれど。

やれやれ、これが文部科学省の「指導要領」かぁ。まぁ、がんばって従いますか。みんなで手始めに「生活指導要領」とかいう作文でもしましょうか。「日々の暮らしを通じて地元社会に明るさをもたらし、世界平和に貢献するとともに、宇宙創造のメカニズムを解明する。芸術に親しみ、また自分でも芸術的創造を行う。身体的・精神的な欠陥によりこれが困難なものに対しては適切な指導を行い、できるだけのことを行わせる。また…」

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自己紹介

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日本生まれ、日本育ち…だが、オーストラリアのクイーンズランド大学で修行してMA(言語学・英文法専攻;ハドルストンに師事)。 日本に戻ってから、英会話産業の社員になったり、翻訳・通訳をやったり、大学の英語講師をしたりしつつ、「世の中から降りた楽しい人生」を実践中、のはずです。