2009年8月25日火曜日

エイゴという名の宗教、TOEICという名の御布施

TOEICという英語のテストがある。まぁ資格試験である。日本人と韓国人ぐらいしか受けないのであるが、ずいぶんなお金が動くテストであることは間違いない。日本で英語稼業をしていればこのテストの話をしないわけにはいかない。

したがって The Japan Times という日本の英字新聞に詳しい記事が出たのも不思議ではない…のは良いけど、こりゃ知らなかった。思ったより大きなお金が動いてますよ。講釈師業のネタを改訂する必要がある。大体TOEICの話をすると、お客さんはお金の話で驚くのであるが、どうも、すみませんでした。実際には、もっと大きな金額らしいですな…。

すなわち2008年における単純な売上だけで90億円近くである。支出としては、ETS(テストを製作している米国の「非営利」団体)に払う印税が推定15億円。前年比で倍増した理由は不明(というのがちょっとひっかかる;何があったんだろう)。その他、コンピュータを使って受けるスピーキングとライティングのテストが赤字、インタビューテストやフランス語のテストが赤字、中国に進出するための費用やら何やらで支出がかさんで…TOEICを主催する「公益法人」である国際ビジネスコミュニケーション協会(従業員156名)の推定黒字額は1億円程度。累計黒字は20億円近く。ここでちょっと首をかしげたくなる。売上90億で、黒字が1億?

さて、この「公益法人」に営利企業がいくつか絡みついている。人事から建物に至るまでズブズブに癒着しつつ、TOEICの問題集を発行したりスクールを経営したり、まぁ見事に持ちつ持たれつの関係である。

営利企業の目的は営利である。どれほど巨額の利益が出ても、更なる利益を追求して行動する。その幹部がどれほど高額の給料を取ろうと、とりあえず文句は言えない。資本主義の世界とはそういうものである。

んで、これらの営利企業との間でどれほどのお金がどういう形で動いているのかは不明である。つまり、売上90億で黒字1億の「公益法人」が顔にはなっているけれど、その実態は複数の営利企業が絡んだ関連企業複合体というわけである。「ビューティフル・エージング協会」なる不思議な団体も絡んでおり、もはやTOEICも英語もどっかに飛んじゃった世界である。

そんなTOEICであるが、公開テスト受験料が突然1割程度引き下げられた。普通、こういうのは、「来年度から値下げ」とかやれば混乱が少ないのであるが、いきなり値下げして、「もう申し込んじゃった人は後から値下げ分を返金しますから」というのだから、大慌てである。ふぅむ、どうしたんだろうねぇ。

…そんな英語のテストが資格試験として不動の位置を確立しているのが日本という国である。良くも悪くも、「お金の国、日本」である。

資本主義体制においては、常にどこかに大量のお金がダブつく。昔なら豪華なお寺を建てたり仏像を作ったり(西洋ならスゴイ教会を建てたり彫刻を作ったり)して何とかした。いや、今でも宗教団体がかなりのお金を吸収している。別に「教え」がどうのこうのとか「信じている」とかいう話ではない、広義の宗教がカネの流れ着く先なのである。振り込め詐欺も頑張っているが、やはり草の根活動に過ぎない。

言うまでもなく、日本においてエイゴは一つの宗教である。TOEICをめぐるお金の動き方、組織の絡み方は、それをよく示している。

…というような話をベラベラと喋るのが、我が講釈師業なのであります。哀しく貧しい薄給講師です。ダブついたお金に来て欲しいと思います。

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