2009年6月28日日曜日

遠い異国の物語…なのか?

マイケル・ジャクソン(もちろん仲間内ではジャイケル・マクソンと呼ぶ)氏の訃報、そしてその関連ニュースを次々に目にする。ううむ、ああいう人物となると、ゆっくり静かに死ぬこともできないんですなぁ。

いや本人は死んでるんだから気にしないでしょう…とも言い切れない。大々的なコンサートを控えていたこともあり、死亡状況によっては保険金がおりるかおりないかの瀬戸際であるからして、検死結果をめぐる騒ぎが続いている。ああいう人物ともなると、ゆっくり死なしておいてくれないのである。いささか気の毒でありますな。

英語系メディアだけかと思ったら、日本語のメディアでも結構話題にしている。へえぇと思っていくつかの記事を見る。

この毎日新聞の記事はちょっと面白い。その前日リハーサル現場にいたフィリップス氏(行われるはずだったコンサートの興行社幹部)について、「約3時間ステージに立ったマイケルさんは、20歳のダンサーたちと同じかそれ以上の巧みなダンスを披露し、「観客をとりこにし、偉大に見えた」と振り返った」としている。「偉大に見えた」はオカシイだろうと思ってもとのセリフを調べてみると(例えばこういうところで確認できる)案の定 'He looked great'(元気な様子だった)だった。あんなに元気そうだったのに、その翌日に死ぬなんて、ということである(さらに深読みすれば「だから保険金はおりて当然だ」という話でもある)。今さらこの種の誤訳をあげつらってどうこう言うつもりはない。英語世界のニュースが日本語の世界に入るときは大概こんなもんである。こんなレベルのニュースがまかり通るほど、日本というシステムは恐ろしいほど閉じたシステムなのだ。

この読売新聞の記事は別の意味で面白い。「マイケル・ジャクソンの主なアルバムと代表曲」という表がついていて、そこに売上枚数が「世界/日本」と仕分けして書いてあるのだ。職場で昼食をとりつつこれを見たときは「エッ!」と声を上げてしまって口から食べ物がこぼれそうになったぞ。あの「スリラー」は世界1億500万枚、日本250万枚。「オフ・ザ・ウォール」は世界2000万枚、日本50万枚。等々。

こんなもんですかねぇ。愚にも付かぬ日本人歌手のアルバムでも何百万枚か売れてしまうんですよ。地球レベルで見るとすさまじい金持ち国の日本ですよ(特にこの辺のアルバムが売れてた頃はすごかったはず)。したがって、も〜っと日本での売上は多いかと思ったんだけどなぁ。まぁ、どのみち自分では買わない種類の音楽であるから、何とも言えんですけど。

他の日本語記事を眺めつつ「あぁこれも日本メディアにとっては、やはり遠い異国のお話なんだなぁ」と実感する。マイケル・ジャクソンなんぞ聞かない人間がこう実感するんだから、こりゃ大したものである。イランの大統領選も、ますます深刻化する人身売買の問題も、枯渇しつつある魚資源の話題も、日本語の世界では完全なるよそ事のようである。

もちろん、とりあえずは、それでよろしいのである。というか、どうしてもそうなりますわな。遠くの話は遠いのだ。当たり前といえば当たり前。…でもね、日本というシステムは、ちょっとその度が過ぎてるようでありますよ。

2009年6月19日金曜日

マーキュリーな午後を歩く

どさ回りの毎日である。電車の上では英国のテレビ番組ばかり見ている。今日は「今まで語られなかったフレディー・マーキュリー(Freddie Mercury - the Untold Story)」を見る。

これには驚きましたよ。まず出てくるクイーンの曲が片っ端からわかってしまう自分に驚く…けど、まぁこれはクイーンのファンとして当然の部類でしょうか。しかし、次々に出てくる関係者が語るフレディ・マーキュリーという人物には、「ううむこのペルシャ人英国人、非凡な奴」と感心させられる。

そしてまた、この番組の作りがどうしようもなく英国調というか島国調というか浪花節なのだ。淡々と事実を並べていくドキュメンタリーなんだけど、それだけに意外なところで不覚にも涙が出ますよ。ああああぁ。いやホンマ、もし見てなかったら、見てご覧なさい。YouTube でも一応見られるし(バラバラに分割されてるけど)。

番組を見終わり、電車を降りる。ホントなら職場に直行するところだけど、ちょいと時間に余裕があるので街を歩く。もちろんクイーンをガンガン聞きながらである。やや、今度行こうと思っていたパブも見つけたぞ。生きている間にビールもバンバン飲まなきゃね。あぁ今日は桜桃忌か。太宰治も最近売れているらしい。不思議な話だ。何だか高校生の頃の自分に戻ったような気分になって歩く。なかなかオトナにはなれないようである。