2010年9月27日月曜日

米国英語のストレス

言語には方言というものがある。厳密にどこでどう切れるというものでもないのだが、例えば日本語の場合、関西の方言、関東の方言などと区別することができる。そしてその区別にはそれなりの意味があり、「関東ではマックって言うんだ」「関西ではマクドやで」といった話題を語ることができる。

そしてまた、多くの笑い話も生まれる。これは楽しい。しかし、だんだん笑えなくなるものである。関西言語感覚の人が「マック」と聞かされ続けると、それなりに神経に触るというか、言語的イライラ感があるものである。

英語という言語も同様で、同じ英国内でも例えば南部と北の方とではずいぶん違う。ましてや海の彼方の米国となると、同じ「英語」と呼べるほど似ているのが奇跡みたいなもんで、そりゃ違うといえばずいぶん違う。

んで、ひょんなことからそんな米国英語ばかりの英語教材と1日付き合う羽目になったわけです。そりゃまぁ米語もしょっちゅう耳にしているし、職業柄慣れてもいる。しかしねぇ、ここまで疲れると…こんな仕事は今年限りにしようと思いますわなぁ。

まぁ自動車のトランクが trunk とくるぐらいなら「わーアメリカ」と笑っていられる。どのみちこの日本語だって米語モノだし、車は乗らないから現実感薄いし、自分の語感として最初にくる長〜い象の鼻を想像して笑うこともできる。自動車後部にニョロリンと鼻がついてたら楽しいよ。あはは。

ところが言葉というのはいろいろなレベルで間断なく神経に攻撃をかけてくるのでありましてな。書類を fill out し、誰それの big fan が登場し、favorite とか inquire とか recognize とかいう綴りが出現する。これを何とか心理的にかわしても、ヒョイと family ... is みたいな動詞の一致が出現して、それなりの打撃を受ける。その間ずっと登場人物はコーヒーを飲み、トイレを restroom と言い、気温を華氏○○度で語っているのだ。こりゃ大変ですよ。

別にアメリカ英語がイヤだとか、イライラするとか、そんなことを言うつもりはない。ないよ。ホントに。ただ、その一日の仕事が終わった夜の酒量がぐんと増えたのは間違いないのである。あぁ。世の中楽な仕事はないというけれど…。

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自己紹介

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日本生まれ、日本育ち…だが、オーストラリアのクイーンズランド大学で修行してMA(言語学・英文法専攻;ハドルストンに師事)。 日本に戻ってから、英会話産業の社員になったり、翻訳・通訳をやったり、大学の英語講師をしたりしつつ、「世の中から降りた楽しい人生」を実践中、のはずです。